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慢性肝疾患

肝臓に起こる炎症が6カ月以上続く状態を慢性肝疾患といいます。ほとんどはB型かC型のウイルスが原因です。進行すると肝硬変になることもあります。
普段通りの生活をしながら、薬の服用、定期的な血液検査、通院治療、生活習慣の見直しなどで治癒を目指します。

B型慢性肝炎

B型肝炎ウイルスへの感染が原因で起こります。血液感染か母子感染によることが多い疾患です。ウイルスを保有している人は100万人以上とみられていますが、その多くは症状がない無症候性キャリアとされ、肝臓に炎症が起こったとしても、自覚症状がないまま経過し、多くの場合は治癒します。病変が進行するのは1割にとどまりますが、ウイルスを完全になくすことは難しいですが、飲み薬でウイルスの量を減らし、肝機能を改善することができます。
B型肝炎ウイルスの感染は、肝臓の細胞内にウイルスが入ってがん化を誘導し、早い段階からがんを引き起こす可能性もあります。

C型慢性肝炎

C型肝炎ウイルスへの感染が原因で起こります。血液感染による疾患です。以前は、輸血や注射針の使いまわしによる感染もありましたが、今では激減しています。ただ1990年代の前半までに輸血を受けたり、血液製剤を投与された人は、引き続き注意が必要です。
20~30年かけてC型慢性肝炎、肝硬変を経て、肝臓がんに移行します。肝臓がんの7割は、C型肝炎ウイルスが原因です。C型肝炎ウイルスに感染している人は150~200万人とみられ、半数は症状が安定、半数はウイルスの活動が活発とされています。
もともと、インターフェロンの注射による治療が行われていましたが、副作用が強く、近年では抗ウイルス薬が開発され、飲み薬だけで治癒することもできます。

肝硬変

肝炎が持続すると肝硬変になります。慢性肝炎により肝細胞の破壊と再生が繰り返されて肝臓が線維化し、肝細胞が線維に囲まれてかたまりになり、組織が硬くなって肝機能に障害が起こる状態です。線維化が進むと元通りにはならないため、慢性肝炎の終末像とされています。
原因はB型・C型慢性肝炎が多く、お酒の飲みすぎによるアルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎から肝硬変に進行することもあります。肝臓は一部に障害があっても残りの部分がカバーするため、初期は症状がありませんが、線維化が進むことで黄疸、腹水、肝性脳症などの症状、合併症が現れます。C型慢性肝炎を原因とする約7割、B型慢性肝炎を原因とする約3割の肝硬変は、10年以内に肝臓がんになるともいわれています。
治療は、原因となる肝炎に合わせた薬物療法が基本です。C型肝硬変は、飲み薬で治療することができるようになりました。合併症がある場合はその治療も行います。症状がないときは、生活指導や食生活の管理、禁酒など、肝機能回復治療を行います。

脂肪肝

肝細胞に中性脂肪が蓄積し、30%以上が脂肪化している状態が脂肪肝です。脂肪肝が悪化して肝硬変になり、肝臓がんを発症することもあります。