岐阜市にあるMIWA内科胃腸科CLINICの肝臓疾患

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肝臓疾患 LIVER DISEASE

肝炎について

ウイルス・その他の原因で
発症する肝臓の炎症

肝臓に炎症が起こる状態を肝炎といいます。前兆なく発症する急性肝炎と、6カ月以上、症状が治まらない慢性肝炎に分けられます。
原因はウイルス性(A型、B型、C型、D型、E型など)が80%以上と最も多く、その他にアルコール性、薬物性、自己免疫性があります。

肝臓疾患は大きく2つに分類されます。

急性肝疾患

肝臓の炎症が急激に進行することを急性肝炎といいます。症状は一過性で、慢性化はしません。ほとんどの場合はウイルス感染か薬剤が原因。症状がひどくなったものを劇症肝炎といい、1~2週間で死に至ることもある疾患です。

急性肝炎

原因がウイルスの場合、感染してから数週間~数カ月後、薬剤の場合、最初に投与してから数週間後に発症します。急性肝炎を引き起こすウイルスのうち、A型とE型は経口的に感染、B型、C型、D型は主に血液を介して感染します。
全身倦怠感、食欲不振、黄疸などが一般的な症状です。治療は入院して安静にするのが基本。ほとんどの場合は、数カ月で症状が治まります。

劇症肝炎

初期症状は急性肝炎と同じですが、症状がますますひどくなり、肝性脳症を伴って急性肝不全となる疾患です。最初の症状が出てから8週間以内に昏睡II度以上の肝性脳症をきたし、プロトロンビン時間(肝機能の指標の一つ。正常は70%以上)が40%以下に低下すると、劇症肝炎と診断されます。さらに、10日以内に肝性脳症が出る急性型、それ以降に肝性脳症が出る亜急性型に分けられます。
原因の8割はウイルス性で、脳浮腫、感染症、消化管出血、腎障害など重度の合併症を引き起こすことが多く、多臓器不全の状態となります。死亡率が70~80%と極めて高く、治療は救命を目的に行います。

慢性肝疾患

肝臓に起こる炎症が6カ月以上続く状態を慢性肝疾患といいます。ほとんどはB型かC型のウイルスが原因です。進行すると肝硬変になることもあります。
普段通りの生活をしながら、薬の服用、定期的な血液検査、通院治療、生活習慣の見直しなどで治癒を目指します。

B型慢性肝炎

B型肝炎ウイルスへの感染が原因で起こります。血液感染か母子感染によることが多い疾患です。ウイルスを保有している人は100万人以上とみられていますが、その多くは症状がない無症候性キャリアとされ、肝臓に炎症が起こったとしても、自覚症状がないまま経過し、多くの場合は治癒します。病変が進行するのは1割にとどまりますが、ウイルスを完全になくすことは難しいですが、飲み薬でウイルスの量を減らし、肝機能を改善することができます。
B型肝炎ウイルスの感染は、肝臓の細胞内にウイルスが入ってがん化を誘導し、早い段階からがんを引き起こす可能性もあります。

C型慢性肝炎

C型肝炎ウイルスへの感染が原因で起こります。血液感染による疾患です。以前は、輸血や注射針の使いまわしによる感染もありましたが、今では激減しています。ただ1990年代の前半までに輸血を受けたり、血液製剤を投与された人は、引き続き注意が必要です。
20~30年かけてC型慢性肝炎、肝硬変を経て、肝臓がんに移行します。肝臓がんの7割は、C型肝炎ウイルスが原因です。C型肝炎ウイルスに感染している人は150~200万人とみられ、半数は症状が安定、半数はウイルスの活動が活発とされています。
もともと、インターフェロンの注射による治療が行われていましたが、副作用が強く、近年では抗ウイルス薬が開発され、飲み薬だけで治癒することもできます。

肝硬変

肝炎が持続すると肝硬変になります。慢性肝炎により肝細胞の破壊と再生が繰り返されて肝臓が線維化し、肝細胞が線維に囲まれてかたまりになり、組織が硬くなって肝機能に障害が起こる状態です。線維化が進むと元通りにはならないため、慢性肝炎の終末像とされています。
原因はB型・C型慢性肝炎が多く、お酒の飲みすぎによるアルコール性肝障害、非アルコール性脂肪肝炎から肝硬変に進行することもあります。肝臓は一部に障害があっても残りの部分がカバーするため、初期は症状がありませんが、線維化が進むことで黄疸、腹水、肝性脳症などの症状、合併症が現れます。C型慢性肝炎を原因とする約7割、B型慢性肝炎を原因とする約3割の肝硬変は、10年以内に肝臓がんになるともいわれています。
治療は、原因となる肝炎に合わせた薬物療法が基本です。C型肝硬変は、飲み薬で治療することができるようになりました。合併症がある場合はその治療も行います。症状がないときは、生活指導や食生活の管理、禁酒など、肝機能回復治療を行います。

脂肪肝

肝細胞に中性脂肪が蓄積し、30%以上が脂肪化している状態が脂肪肝です。脂肪肝が悪化して肝硬変になり、肝臓がんを発症することもあります。

脂肪肝について

無症状でも肝硬変、肝臓がんに
つながります

肝細胞に脂肪がたまる脂肪肝は、肥満・糖尿病・アルコールなどが原因で起こります。
肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれ、脂肪肝になっても症状はほとんどありませんが、肝硬変、肝臓がんにつながることもあるため、診断されたら注意しましょう。
メタボリックシンドロームとの関係も指摘されており、生活習慣を改めることで脂肪肝を改善することもできます。

脂肪肝危険度チェック

当てはまる項目があれば、生活習慣を見直しましょう
  • 毎日飲酒する
  • 朝食を食べない
  • 夜食を食べる
  • 間食が多い
  • 果物をよく食べる
  • 甘いもの、脂っこいものをよく食べる
  • 好き嫌いがある(偏食)
  • カロリー過多
  • 塩分過多
  • 食べ残さない
  • 早食い、やけ食い、まとめ食いをする
  • 太っている
  • 睡眠時間が6時間以下
  • 運動不足
  • 不規則な生活

脂肪肝の種類

過栄養性脂肪肝

最も多いタイプの脂肪肝で、食べすぎと運動不足が原因です。
肥満の傾向にある人は特に注意しましょう。運動せずに暴飲暴食する生活が続くと肝臓に脂肪がたまり、3カ月ほどで脂肪肝になります。

アルコール性脂肪肝

お酒の飲みすぎが原因です。
どのような種類のお酒であれ、アルコールは肝臓に大きな負担をかけます。毎日、3合以上の日本酒を飲み続けると、1~2年で脂肪肝になるというデータもあります。

ダイエット脂肪肝

ダイエットにより栄養バランスが偏ることも脂肪肝の原因になります。
極端にカロリーを抑えた食事は、逆に肝臓に脂肪をためてしまいます。同じ食品ばかりを食べるような無理な食事制限を伴うダイエットはやめましょう。